「空間になって聞く」未二観研修クラス

「空間になって聞く」未二観研修クラスをご案内いたします。

以前は「ミニカウンセリング」という名称で研修を行っていました。
そこでは話し手の言語空間を思考・感情・感覚・存在という四つの層に分け、
時間的に深まってゆく一方向のプロセスとして「傾聴」という営みを理解していました。

ミニカウンセリングの構造ではその中心に「聞く自分」がしっかり確立しています。

「自分が確立している」とは、いつでも「自分」が中心に存在して、
中央政府のように意味を統一させながら聞いているということです。

我々が世界の中心に自分を確立させているがゆえに、
外界のあらゆる時空から訪れるひそかな未知の声は、
すでに確立して安定した自分に理解できるように、
あるいは定評のある理論や教えの枠組みに合うように自動的に解釈されて聞こえてきます。

我々にとって「聞く」とは、
すでによく知っている自分の確実さに沿うように瞬時に内容を編集して理解するということです。

我々が物事を自分に引き寄せて理解するのは、
頼りなく不安定なこの世界で「自分自身」を確かなものとして経験したいという深い「渇き」を持っているからです。

未二観は、言葉のどの地点からでも直ちに時間を超えて中心へ参入する「8分間」を立ち上げます。
ここで言う「中心」は自分自身ではなく「8分間の時空」という舞台空間そのものを指します。

「自分自身」という凝集した中心は8分間という「四次元時空の円坐舞台」の隅々まで気化して広がります。
我々は8分間だけ自分を忘れ、純粋な注意力として舞台上に存在します。
これは縁坐舞台のヒトガタに準ずる在り方です。

この未二観の8分間の縁坐舞台では、自分の内側に確実にあるように見える経験も、
不確かであるのかないのか分からない妖しい動きも、すべてそのまま生じることができます。

我々はこの舞台の上で、
初めて「自分」という中央政府が把握できない何かを経験し認識することになります。

「確実な自分」は常に過去からやって来ます。
「8分間というあなたとわたし」として結界された未二観縁坐舞台では、
過去から来る確実さは徐々に影となって背景に退き、
不確かで未知な現象や感覚が輪郭を持ち始めます。

それは未知ゆえに自分を超えたものであり、未知ゆえに未来から来るものです。

自分を超えた未知なる未来は「確実な自分」にとっては不安や恐れ、闇や虚無としてやってくることもあります。
闇や恐れを避けず、対峙し、仕合い、未知(道)の奥まで辿り、運ばれたときに我々は、
共感でもなく、傾聴でもなく、カタルシスでもなく、癒しでもない「未知の命」にふれて内面深くから生き返ります。

ただし、そのためには手加減の無い人間関係が不可欠です。

未知で未来である「永遠の時」の中で我々は一番最初から、おそらく宇宙の始まりからずっと「元気」です。
自分が確立されるとか、されないとかにかかわらず、我々は最初から元気でした。
だから「元」の気と言うそうです。

先日の月曜日、関ヶ原古戦場円坐に縁坐舞台囃子方として同道していただいた篠笛の師が、
家康の最後陣地での円坐で以下の様な言葉を置かれました。

「今この円坐で語られている言葉は、
この時間と場所の外へは持ち出すことができない『言葉』になっています。
持ち出そうとしても持ち出せない大切な何かになっている。
わたしは今日来たばかりなのにもうずっと長い間皆さんとここにいるような気がします」

未二観の8分間の中には、
我々の人生の長さや宇宙の広さがそっくりそのまま入っているかのようです。

そんなに大きなものが、この8分間の外へは決して持ち出すことができず、
聞こえるとすぐに虚空に消えてしまう「声」の中に、存在しています。

「聞く」私の時空間、「聞こえる」あなたの全宇宙空間。
それは永遠で、本当で、「自分」という確実さよりもっと「生きている」のではないでしょうか。

8分間未二観研修クラス 守人 橋本久仁彦

「空間になって聞く」未二観研修クラス

<日程> 
①10月14日
②11月11日
③12月9日 
④2022年1月13日
⑤2月10日
⑥3月10日
⑦4月14日
⑧5月12日
(全8回いずれも木曜日)

<時間>
18時30分~10時10分
(喫茶リエ併設開店)

<研修費>
 各回6千円 全8回通し4万円

<会場>
有無の一坐・影舞山月記(鬼)稽古場
大阪市西区千代崎2-20-8
(地下鉄鶴見緑地線「ドーム前千代崎」駅②番出口徒歩2分
阪神ドーム前駅徒歩3分・JR環状線大正駅より10分)

【申し込み・問合せ】
 メールにて、enzabutai@bca.bai.ne.jp
 はしもとくにひこまで。