きくみるはなす円坐舞台 --津屋崎の声に耳を澄ませて--

円坐舞台に坐ってくださる懐かしい方々の在所を訪ねて今度は博多、津屋崎海岸へ参ります。
先週末は有無の一坐坐長の僕は東京・奥多摩へ、松岡弘子は愛知・岡崎へ、橋本仁美は静岡・浜松へと同時展開し、有無の一坐として対峙中の方々と直接仕合うべく行動いたしました。

円坐舞台としての有無の一坐の行動様式は、僕の予想を大きく超えてとても面白い姿になってきました。有無の一坐の円坐舞台は24時間一年中全人生が舞台となっています。

この地点から「わたし・自分」を振り返って見ると、行動すること、実行することがそのまま「わたし・自分」という最初の言葉、最初の思考であることがわかります。つまり、思考と行動がひとつになるのです。

心身に分離感のない、生きている「思考生命体」というものがあるようです。我々は思考生命体として生きることで「100パーセント」である何かを生きることになります。

かつて僕がカウンセラーだった頃は、いつも人を待っているだけでこちらから「出向く」ということは考えもしませんでした。それが実は僕の人生そのものの態度でもありました。今は我々が世界に会いに出向きます。

面白いのは我々が「会いに出た」瞬間、待ってましたとばかりに世界も我々の方に「会いに来る」ことです。我々と世界は、もうずいぶん長い間お互いに「会いたがっていた」のでした。世界との懐かしい「再会」を記念して僕が尊敬する円坐舞台守人の言葉を掲げます。

「自分の姿は、自分自身では、わかりようがなく、
人と関わった瞬間に、どうしても出てくる初動こそ、動機にこそその人自身がいるのに、
五感は自分の姿を捉える事は、出来なくて限界があって、無理なんだなあ。

・・・・・・自分や人をコントロールし、自分や人を、過去や環境を、
支配したり隷属対象にしたりすると、人に会うという、
たったそれだけのことが、なぜそんなに脅威になるのか本当に人に会うというのを、
徹底して避けている理由は、具体的にわからないけれど、
人と会う事を避けて来れたのは、自分の気持ちや感覚を大事にし、
自分の思考だけで現実を作り、他者を蔑ろにしてきたことで、
自分を要塞化して来れたのだと、あらためて思う」



きくみるはなす円坐舞台~津屋崎の声に耳を澄ませて~有無の一坐  橋本久仁彦

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きくみるはなす円坐舞台 --津屋崎の声に耳を澄ませて--
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とき:2021年11月3日(水・祝)、4日(木)
時間:10時〜16時(両日とも)
場所:津屋崎千軒民俗館 藍の家 二階
定員:10名

料金:福津市内の方15,000円、市外の方30,000円
   1日のみの場合10,000円(市内)、20,000円(市外)
  ※基本的には両日参加できる方を集っています。
   1日だけの参加希望の方は、事務局にお問い合わせください。
  ※参加費に昼食代は含まれていません

申込
 ①名前②住所③連絡先(電話番号、メールアドレス)をご記入の上、
 togo@tanenoki.netにご連絡ください。

支払い方法
事前振込みをお願いしています。
詳細はお申込みしていただいた方に個別にご案内します。

主催、問い合わせ先: 紡ぎ屋(都郷)
共催:西岡望(クロ)、山口覚
         

橋本久仁彦さん、仁美さんを招いてきくみるはなす円坐舞台を開きます。
目的に向かうのではなく、円になって座り、溢れ出てくる言葉や気持ちに心を向ける時間です。

津屋崎に暮らさせてもらい、12年の月日が経ちました。
いろんな方の力をお借りして生活を営み、心に想うことを少しずつ形にできています。
同時に、まだまだできているとは言えないとも感じます。

まちの方と一緒に過ごすと、「お陰さま」という気持ちを随所に感じ、
生かされていることの感謝が常に心にあることに気づかされます。
まちの方が大事にしてきた考え方や生き方を知り、咀嚼し、受け取りたい。
そこには、失ってはいけない文化があると思うのです。

それを具体的にどうやって受け取ればいいのかわからぬまま時が過ぎていましたが、転機が訪れました。
今年の6月に博多で行われた円坐舞台という時間を過ごし、人と出会うことや
話を聞くことがどういうことかを守人の橋本久仁彦さん、仁美さんの
眼差し、背中、言葉から感じ取りました。津屋崎で円坐舞台を開けば、
きっと溢れ出てくる何かに出会えるはず。
津屋崎の方はもちろん、津屋崎の外で暮らす方の力もお借りして場を作っていきたいと思います。

少し肌寒さを感じる季節の開催ですが、いつもと変わらぬ時間がここには流れています。
よかったらお越しください。

円坐守人プロフィール
【橋本久仁彦(はしもとくにひこ)】

1958年大阪市生まれ。
大学卒業後は高校教師となり、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱した
パーソン・センタード・アプローチに基づく「教えない授業」を10年間実践する。
その後アメリカやインドを遊学し、人間同士の情緒的なつながりや
一体感とともに発展する有機的な組織作りと、エネルギーの枯渇しない
自発的で創造的なコミュニティの建設に関心を持ち続けている。

1990年より龍谷大学学生相談室カウンセラー。

様々な集団を対象とした非構成的エンカウンターグループを行う。
2001年12月に龍谷大学を退職、プレイバックシアタープロデュースを立ち上げ、
プレイバックシアター、エンカウンターグループ(円坐)、サイコドラマ、
ファミリー・コンステレーション、コンテンポラリーダンスなど
フィールド(舞台)に生じる磁場を用いた欧米のアプローチの研究と実践を積み重ねるも、
10年間の活動を終え、その看板を下ろす。

生涯を通じて手掛けてきたミニカウンセリングは位相を進めて「未二観」となり、
エンカウンターグループは「円坐」となり、縁坐舞台も「縁起の坐舞台」と成って様式が整い、
生死・顕幽の境を超えて不生不滅の景色を展望する三つの終の仕事となった。
仲間も変遷し、この頃は生死を共にする有縁の仲間(一味)と地方へ出稽古に出ることが楽しみ。
毎日がこの世の名残りの道行である。

高野山大学スピリチュアルケアコース講師。
円坐守人。影舞人。口承即興〜円坐影舞「有無の一坐」坐長。

【橋本仁美(はしもとひとみ)】

1986年生まれ。
20代は“目的をもたない生命体的集団”「フェンスワークス」のスタッフとして9年活動。
円坐をはじめとする非構成的な場を企画・運営するかたわら、
バンド活動、ミニライブ、ジャンベレッスンを開催。

30代は高知県四万十町に移住し派遣事業会社で2年勤めながら、
廃校を利用したカフェの運営や、道の駅の販売業務、
カヌーツアーガイドの施設での業務等を経験。
暮らすという形では都会も実家も全く出たことのなかった自分にとっては
未知の経験ばかりでひどい精神状態となったときもあったが
四万十の心ある方々に助けられ、その懐の深さあたたかさを感じながら
なんとか生きる。

2020年7月に大阪にもどり
口承即興円坐影舞「有無の一坐」のメンバーに加わり活動しながら
池田市にあるオルタナティブスクールにて
親子クラスと小学部対象の特別クラス講師(音楽/円坐)を担当、
およびスタッフ研修として円坐を定期開催。

自身のうぬぼれや野心から可能性を求めて飛び出し一巡した結果
できると思っていたものは実際にはなにもなかったことを知り、
それと同時にもといた場所、頼りにしていたものも崩壊し、
なにもなくなったところに、円坐と音楽だけは残っていたことを自覚すると、
それまでの社会的なものへの所属欲求や見栄・劣等感による執着心が
しだいに薄れ、円坐舞台の道に一点集中するようになった。

数年前のゆるく楽しい場づくりをしていた頃に比べると、
現在は幾分か鋭度の高い場づくりをおこなうようになってきている。