第35回 ふるさと相聞茶堂

4月のふるさと相聞茶堂のご案内です。

< 第35回 ふるさと相聞茶堂 >

・日程:2025年4月24日 木曜日
・時間:13時半~16時半
・住所:高槻市芥川公民館 和室
・内容:円坐・影舞・未二観 等
・守人:松岡弘子
・参会費:三千円
・申込:soumon.enza@gmail.com 松岡
・有無ノ一坐:https://umunoichiza.link/

近くの桜堤の桜もすっかり散った葉桜の頃、
次回四月のふるさと相聞茶堂を開催いたします。
その頃はもうすっかり暖かくなっているでしょう。
川浪さんと円坐をご一緒させていただいて五度目の春です。
本当に不思議なご縁で巡り会いました。

わたしにとって川浪さんは大切な「ふるさと」です。
わたしも今年のお盆で五十代最後の年を迎えます。
体力は昔の方があった気がしますが、今の方がずっと元気な気がします。
懐かしい人の面影や自分の中にずっと生きている人達のおかげで
一人の時も誰かといる時もなんだか豊かです。
とても静かでもありとても賑やかなところでもあります。

自分のことを誠実に愛してくれている人との思い出や
辛く悲しい出来事まで自分の都合で操作し自分の記憶のなかだけで作り変えたり、
このたびの人生やこの世界においてなかったことにしたりすると、
後々大変なことになるとわたしはおもっています。

自分の「過去の記憶を制すること」と「現実を操作すること」で、
二重にも三重にも思考することになり、
そのため、大切な他者の存在は霧散し、消えてしまいます。
空気感や世間の声など、さらに周囲まで
そのやんわり押しつけられたことを受け入れあってしまうと、
個人の都合でつくりあげた虚実は肥大化し、
大手を振って勝手に外を出歩くことになります。

人間関係とはまず相手の前に在ることに尽きます。
何かができるようになるとか、うまくやれるようになるとか、
まったく必要ないと思います。
誠実とか誠心誠意とかそれらはその後の関わりあいのなかで
生まれてくる態度の話であって、
どんな姿であっても、たとえ情けない背中であっても、
人間関係とは目の前の大事な相手の前から決していなくならない
ことに尽きるとわたしは思っています。
そうすると何十年ぶりの邂逅も果たすことが自然に可能になるのではないでしょうか。

邂逅は意図的に作り出すのは不可能です。
もしも、目の前の相手から消えなければ、物理的に離れてても、たとえ生死を越えても、
必ずや再会は果たされるでしょう。
再会を果たす場所はワークショップや治療現場ではなく、
そこは新鮮で懐かしい、まさしく「ふるさと」なのだと思います。

その場所に本当にいることで、自分の大切な人との事や関わりを思い出すのは、
人が場所である所以だとわたしはおもいます。

まだまだこれから梅の季節ですが、三寒四温を経て段々暖かくなっていくでしょう。
春の芥川にてご縁をお待ちしています。

有無ノ一坐 松岡弘子