第二回飯能相聞円坐
来週6月4日水曜日に開催いたします「第二回 飯能相聞円坐」のご案内です。
第一回は埼玉県飯能市に暮らす茂木明香さんに会いに飯能相聞円坐を開催いたしました。その案内を見てくださった久世茉里子さんからお便りをいただきました。「ご都合があえばぜひうちにも寄っていただいたり、地域的、歴史的にも面白い場所をご案内したかったなあ…と思うのですが、ぜひまた機会があえば飯能にお越しいただけると嬉しく思います。お呼びしたらいいのでしょうか。」とおっしゃっていただき、往復書簡のやりとりを重ねまして、第二回相聞円坐を開催する運びとなりました。
わたしたちは4月16日の熊本・火の国円坐の翌日有志で熊本城へ参りました。
西南戦争のとき熊本城周辺で最大激戦が繰り広げられたことを、熊本城であらためて具体的に知りました。激しい防御戦となり強固な要塞となった熊本城を死守するため、長期にわたり戦った熊本の人々の熱い精神を感じました。9年前の熊本地震で甚大な損壊に見舞われた熊本城と石垣の再建工事が今も続いているのを実際に見て歩いていると熊本の人々の不屈の精神を感じて止みませんでした。
久世さんの暮らす飯能は、名栗渓谷を始め、川の風景のある地域だそうで、戊辰戦争や飯能戦争の発端となった世直し一揆のあった旧名栗村でもあるそうです。このたび飯能市名栗にて第二回飯能相聞円坐を開催いたします。
それでは久世茉里子さんからのご案内をご紹介させていただきます。
有無ノ一坐 松岡弘子
【〈 飯能相聞円坐 〉のご案内】
この度、「有無ノ一坐」の橋本久仁彦さん、松岡弘子さんが、MATHRAXのアトリエのある飯能に来てくださることになりました。
私が「有無ノ一坐」の皆さんと初めて出会ったのは、2021年の夏、大阪で開催された「石切相聞茶堂」という催しに参加させていただいてからです。
2021年の夏といえば、新型コロナウイルスのパンデミックの真っ只中。そして東京オリンピックが開催されるのか、されないのか。
世間が、そしてちょうどその関連イベントに参加することになっていた私たちも、大いに揉めていた頃でした。
これは一旦、心身ともにリセットしないと!とふいに思い立ち、大阪の石切までお二人にお会いしに行ったことがきっかけでした。
.
「有無ノ一坐」の橋本久仁彦さんは、かつては高校の先生や大学でのカウンセラーのお仕事をされていたそうですが、今は、臨床心理士やカウンセラー、セラピーやファシリテーションという職業やあり方からは離れたところで、「人と人とが出会う」場を作られている方です。
「円坐」という、人が集まり坐って話す場所が、いつの間にか「舞台」として立ち上がってくる、そんな場としての空間を作っていらっしゃいます。(それを「縁坐舞台」とも仰っています)
そこには、「生きて行く」ことを大事にするという、いわゆる一般社会の目指すような方向性ではなく、老いや死に対峙することができる圧や契機があると仰っていました。
何をするのか全く知らないまま参加させていただいた私は、とにかくその日中に500%ほど回復!
この時に参加者の皆さんとお話したことが、次の年に大阪府豊中市で開催予定だった『光さす間に』展(2022)のインスピレーションにも繋がっていきました。
え!結局「円坐」って何!?「縁坐舞台」って?と気になる方は、ご自分のタイミングの良い頃合いにご参加いただき、ぜひその真相をお確かめください!(分からないけど、今なのかな!と思った時が良さそうに思います。)
今、「有無ノ一坐」の皆さんは、縁のある方を訪ねて日本中を旅されているとのこと。どこかでお会いできるかもしれません。
写真は、昨年、横浜でお会いした時の橋本さんと松岡さん(「港の円坐 ヨコハマ影舞」)。2021年に石切で初めてお会いした時の橋本さん(「葉月 相聞茶堂」)です。


.
この次の年に発表した新作インスタレーション「光の依代」は、
現象学や世阿弥の書いた「人の意識」に関する文献を頼りに、天岩戸神話をモチーフにしたものになりました。
その際に、造形とシステムと場が互いに落ち着くところの示唆をいただいたのも橋本さんでした。

photo: Kenji Kagawa / Performance: Tomoyo Okada, Chiaki Ishigami
MATHRAX《光の依代》2022
MATHRAX《光さす間に》Before Light Reveals(記録映像)
有無ノ一坐の皆さんにお会いしていなかったら、また別の作品になっていたかもしれないなと思うと、とても感慨深く思います。
.
開催日まであまり時間がなく、急なご案内になってしまいましたが、どなたでもご参加いただけますので、もしピンとこられた方はぜひ!
< 飯能相聞円坐 >
日時:2025年6月4日(水)10時~16時
場所:埼玉県飯能市 名栗付近
集合:西部鉄道池袋線 飯能駅
守人:橋本久仁彦 松岡弘子
参会費:15,000円
お申し込みは、松岡弘子さんまでお願いいたします。
soumon.enza@gmail.com