間の会 会所 御披露目の儀〜有無ノ一坐の皆さんをお迎えして
このたび、三重県津市は北丸之内の地において、西脇秀典氏による「間の会会所御披露目の儀」が執り行われますことを、有無ノ一坐一同謹みましてご祝賀申し上げます。
また、特に我ら有無ノ一坐をご招待頂きましたご厚意に、一坐一同伏して御礼申し上げます。
この会所は武道家である西脇氏のご両親の道場でした。
我々有無ノ一坐はお父上の御生前に、親しくご教示を頂いたことがあります。
今現在も、お父上と道場で過ごしたその場面、その時空が、我々の心の中に生き生きと広がっています。
私が円坐舞台で御辞儀をする時に、左手から先に床に付けるのは、お父上の教えが身に付いたからです。
右手はいざという時、刀を抜くために必要だから、最後まで自由が利くようにしておく。
僕はそのように理解していたのですが、ご子息の西脇秀典氏の了解は以下のようなものでした。
左手を先に出して床に置くのは、相手に対して不意打ちの攻撃をしないという、武人としての敬意を示すためだと。
諸説としては両方の意味があるようですが、こうして御辞儀の坐法について西脇氏と語り合う時、我らの上に注がれるお父上の慈眼を感じます。
円坐も影舞も未ニ観も、お互いの御辞儀から始まる人と人のかかわりあいの芸能です。
私が人間を対象化する心理学的な関係性を離れて、全体的、実存的な人間のかかわりあいに目覚めた時、お辞儀にも初めて本当に命が宿ったのでした。
円坐舞台の道を歩く我らにとって、姿無きお父上の面影は、楽しくも厳しい円坐の道中景色を永遠に照らす魂の燈火となっています。
このたび、間の会会所御披露目の日に、皆様とともに再びお父上の道場に坐れますことを、一同大変嬉しくおもっています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
口承即興円影未ニ 有無ノ一坐 橋本久仁彦

【間の会 会所 御披露目の儀 〜有無ノ一坐の皆さんをお迎えして】
謹啓
秋も急に深まり冬の気配も感じるこの頃、皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。
平素より、ご厚情を賜り、深く御礼を申し上げます。
父が逝去して3年2ヶ月と少し経ちました。父が初めて道場を開いたのは、一つ前の家を建てた時でした。
それから、様々な故があり、現在の場所に移転せざるを得なくなり、前には一階であった道場を、今度は二階に設えることになりました。最初の道場は全体に天井も高く、人も多く集まることがありましたが、新たな道場は、父一人が居合道の刀を振れるほどの高さの天井とし、父が居合と太極拳、母が太極拳の稽古の場として大切にしてきたものと思っています。
父は生前、会話がしにくくなったり、色々なことを忘れてしまった後も、道場に入る際に、一礼を欠かしませんでした。この道場を、今後どうしていくか、母と考えてきました。
そして、以下のようにしていくことになりました。母の太極拳の稽古場として、今後とも、仲間の方と共に使用していくのと同時に、わたくしが、これまで10年続けてきて、今後の人生をかけて探求していく「間の会(あいだのかい)」の会所として、ご縁のある方々と、共に座れる場所として開いていきたいと思います。
間の会は、ご縁のある方々と共に、互いに関わり合いながら、人間とは何かを探求していくものです。これには、何か資格や経験が必要なわけではありません。ご縁のある方とは、どなたでも、ご一緒して参る所存です。
この会所を開くにあたって、様々にお世話になってきた家具作家の森下たけしさんに、ご助言と一部の改装をお願いいたしました。また、叔母に書を書いていただきました。
つきましては、来る本年11月12日(水)日中に、平日ではございますが、この会所の御披露目の儀を行いたいと思います。
この集まりを行うにあたって、間の会の活動に、常に多くの刺激を与えてくださっている、大阪の「有無ノ一坐」の皆さんをお迎えして、皆様と一緒に座る席をもうけます。
「円坐」を生業とし、各地を旅する「有無ノ一坐」の皆さんは、父が存命の頃にも、何度もこの道場にお越しいただきまして、父が、直々に、座礼の作法を伝授したり、父が残した「仕事はふるさとに帰ること」という言葉を大切にしていただいております。
「儀」などと仰々しい名称にしておりますが、この日は、有無ノ一坐の皆さんと、一緒に座り、互いに話したり、聞いたりする時間を過ごすだけでございます。
この日1日の流れを下記のように設定いたしました。午前一部と、午後二部の三部構成となっております。
普段の間の会は、お好きな時間に来て、帰るような形をとっておりますが、この日は、出来れば、それぞれ、ご希望の部の時間を選んでご参加ください。一部だけ、二部だけ、1日通し、どうような形でも構いません。ご参加の際は事前にご一報ください。
こちらからのお誘いで恐縮ですが、参加にあたっては、協力費をカンパいただけるとありがたいです。これも特に絶対必要というものではありません。何より、ご縁のある皆さんが、お集まりいただければ、これに勝る喜びはありません。そして、また、この機会を楽しんでいただけましたら、今後とも、この会所にまたお運びください。このお誘いも、義理を感じてご無理いただくようなものではありませんので、お心のままにお願いいたします。
当日の流れは以下のようになります。
【間の会 会所 御披露目の儀 〜有無ノ一坐の皆さんをお迎えして】
開催日:2025年11月12日(水)
場所:三重県津市・西脇宅二階
(会場の住所については下記アドレスまでお問い合わせください。
また駐車場はご相談ください。近隣の方にもお借りする予定です。)
・午前の部(10時から12時)
・午後の部第一部(13時半から15時半)
小休憩あり
・午後の部第二部(15時半から17時半)
問合せ先 西脇秀典(aidanokai2015@gmail.com)
以上です。
こちらのホームページもご参照ください。
・間の会:https://aidanokai.amebaownd.com ・有無ノ一坐:https://umunoichiza.link
急に冷えて参りました。おからだをお大事にご自愛くださいますようお祈り申し上げます
敬具
2025年10月27日
西脇秀典


