水無月の一滴 ふるさと相聞茶堂

六月のふるさと相聞茶堂のご案内です。

一昨日の日曜日、福井県おおい町に在ります若州一滴文庫へ若州人形座による竹人形文楽公演「はなれ瞽女おりん」の公演を見に行きました。

仲間と一滴文庫へ向かう道中、21年前の帰雁忌(水上勉氏の一周忌)へ向かった日のことを流れる風景を見ながら思い出していました。

その頃、毎晩息子にせがまれて、冒頭のシーンを夜寝る前に繰り返し読んだ「天の瞳」(灰谷健次郎 著)。幼年の倫太郎の台詞を毎晩大声で口真似する5歳の息子。

そんな彼を乗せ、21年前の秋、福井まで山越えの下道を走り、一滴文庫に到着しました。実は、水上勉さんの本を読んだことはありませんでした。きよの絵本劇場の清野友義さんに誘われたことがきっかけでした。

そのとき窪島誠一郎さんに会えたことと、車いす劇場の舞台背景の竹林が強烈に焼き付いてしまいました。

それから月日が流れ、有無ノ一坐で、縁坐舞台の出稽古に何度もおとづれるようになりました。そして昨年は、初めて若州人形座による竹人形文楽公演を観ました。背景にあったはずの静謐な竹林のなかに、いつの間にか自分も揺れる竹のように舞台にいるのを見て、衝撃でした。

斜め前の桟敷席には、門戸さんも見に来られてましたが、その時はどうしても声がかけられず、後日、ふるさと相聞茶堂で話すと「僕もその日、同じ舞台を見てましたよ!」と無邪気な彼の声が返ってきて、今も忘れられません。

そしてその年の秋の一滴文庫での縁坐舞台に門戸さんも立たれて、舞台で山下薫さんと未二観もされました。そのときの音源をいまも時々聞き返していますが、竹林は色あせることなく今も生き生きしています。

その時、門戸さんに教えてもらったのですが、おおい町と台湾新北市淡水区の友好の桜(ヤマザクラ)が、一滴文庫のお庭に植樹されてあり、そこに立つと、門戸さんの声が風によみがえってきます。

見えない世界にいる門戸さんは、わたしたちを引き合わせたり、舞台にあらわれたり、生きていた頃よりも強烈に『いる』ようになりました。

今年で若州人形座の人形文楽は最終公演となるかもしれないということで一滴文庫へ「はなれ瞽女おりん」の公演を見に行きました。

見えない世界が、こちらに向かって、舞台上の飛鳥井かゞりさんの朗読と、若州人形座による竹人形と影と仮面によって、あらはれました。生きている人よりも『いる』おりん。

 平太郎の魂とともに、雪の中を、おりんの旅は続いている
余韻がいまも続いていて、まだ舞台にいる感じがします。
明日は門戸大輔さんの展覧会へご縁の方々と皆で行きます。
会いに行ってきます。

今月のふるさと相聞茶堂は、芥川町から高槻町に変更となっています。
それでは、皆さまのご縁お待ちしています。

有無ノ一坐 松岡弘子

< 水無月の一滴 ふるさと相聞茶堂 >

日程:2026年6月25日 木曜日
時間:13時半~16時半
会場:クロスパル高槻 和室
守人:松岡 弘子
参会費:3,000円
申込:soumon.enza@gmail.com 松岡
有無ノ一坐https://umunoichiza.link/