北の国・円坐物語 -縁に坐る暮らしの端にて-

有無ノ一坐は来年正月の四日と五日に新春円坐舞台を開催します。
北海道や長崎から子どもたちとの現場を生きる気鋭の円坐舞台守人社中が来阪します。
→開催要項はこちらをどうぞ「新春対談円坐舞台~子どもと円坐 円坐と子ども」


二月には北海道での円坐舞台「北の国・円坐物語」が立ち上がります。
今年頂いた皆様の御厚情に深謝し、ご因縁を決してなきものにせず、余生貫いてご一緒させていただきます。
ようやくはっきりと道筋が見えました円坐道、道のり遥かではありますが、お陰様で円坐舞台一坐一味、彼岸の家族として、末期に悔いなき魂の青春の道のりを歩くことができます。


来たる新しい年もまた懐かしき皆様とのご同道、至らぬ身ゆえお世話をおかけいたしますがどうぞよろしくお願い申し上げます。


数えれば
二千と二十二来年は
北は北海道南は長崎熊本へ
日光筑波恵那小谷
佐渡江戸遠州阿波瀬戸内
有無ノ一坐のドサ廻り
守人社中・連中は
坐衆相方切り結び生まれて初めて指先に
命を置いて影の身を舞ってくださる懐かしき
得難き友を今は得て
最期の日まで共々に
対峙し仕合い仕合わせな
生死一筋円坐花
咲かせてみましょうあの人と
有無を言わずに歩きます
どうぞみなさまご一緒に
きくみるはなすえんざぶたい
この世の円坐の一幕に
彼岸縁坐の華と成れ

口承即興円坐影舞 有無ノ一坐  橋本久仁彦

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2022年2月、北の国に新たな円坐舞台の狼煙を上げます。
僕と「円坐舞台」とを出会わせてくれた人で、有無の一坐坐長である橋本久仁彦さんを、我が地元、鷹栖町にこの度お招きすることとなりました。

日本は最北の地、北海道にて、橋本さんと二人で守人を名乗る、一泊二日の円坐舞台を開きます。
つきましては、ご一緒いただける坐衆の方々を若干名、募らせて頂きます。
詳細は本文の最後にて記載いたします。

僕は故郷の徳島より移り住んで9年目になりますが、以来ずっと、森のようちえんスタッフとしての暮らしを続けています。
現在は、二人の我が子も一緒に通っています。

人との間を生きる、そこで肩寄せ合う時も、ぶつかり合う時も、待った無しの真剣勝負なその様において、ようちえんに在るこどもたちと、円坐舞台に在る坐衆守人の佇まいは、僕の中でとても深く重なります。

自分も、こどもたちのように全存在をかけて、今この刹那と本当に向き合いたいと突き動かされるものがあり、ようちえんでも月に一度、お母さんたちとの影舞・円坐舞台を開いています。

試行錯誤に彷徨う日々の中、ここ最近の自分から見えた景色を書き留めたものがあるので、僭越ながらいくつか挟ませて頂きます。

 * * * * 【たかちゃんと影舞をした】

たかちゃんは、今、どこへ行こうとしているんだろう。
たかちゃんは、今、どんなことを考えているんだろう。
どれだけ舞っても、そんなことは、まったくわからない。
相手の心は、一生かかっても多分、まったくわからない。
たかちゃんも、多分、僕のことはわからない。

でも、たったひとつだけ、互いにわかっていることがある。

それは、そんな僕とたかちゃんが、まったく分かり合えないそのまんまで、
いま、指の先の先という、ほんの一点において確かに「ふれあって」いるということだ。

決して分かり合えるはずないのに、それでも僕たちは、確かにふれあうことができる。
これは、奇跡だと思う。

円坐ならば、「言葉」を辿ることで、共に歩き、互いに踏み込み、向かい合うことができる。
理解なんて成し得ない、絶対に。
だけど、そんな僕たちが、向かい合うことならば出来るんだ。

僕にとっては、それこそが何よりも重要な「生まれてきた悦び」のように感じる。
分かり合うことなんて、そもそも出来なくてよかったのかもしれない。
そんなことより、「いっしょにいる」ということにこそ、もっと目を見張り、耳を澄ませたい。

¨ 【まゆみちゃんとみおちゃんの影舞も、そうだった】

互いの指先と指先をふれあわせて舞台上に坐る二人の姿に、
忘れ去られていた懐かしい遠い記憶が、ふと鮮明に甦る。
世界とは、こんなにも優しいのか。
人間とは、こんなにも美しいのか。
生命とは、こんなにも愛おしいのか。

そういえば、影舞を見ていると、そんな心地に包まれることが、わりとよくある気がする。
おもろいな、ふしぎだな。
ふたりが「ふたりで」いるという、ただそれだけなのに。
指と指あわせてる、それだけのはずなのに。
なんで俺、泣きそうになってるんやろう。

¨ 【円坐舞台、刻限まで、残り3分45秒を回った】

やばい、やばい、この人たちと居る今、今しかない今、
だからこそ、どうしても今、言葉にしておきたいことがある。
でも、時間が足りない、ああ、どうしよう、そんなことで焦る、焦る。

この、せめぎあいが、ふと自分の人生そのものに重なる。
10代も20代も、あっという間だった。
道は間違いなく、旅の終わりへと向かっている。
俺の人生、どうなって行くんだ、、そこに切実な「せめぎあい」がある。

けれど、このせめぎあいがあるからこそ、今、確かに生きてるんだなという、そんな心地もするんだ。
人は自分が死ぬことを知っているから、今を必死で生きられるんだと思う。
人生、楽しく行きたいわけじゃない。
楽になりたいわけでもない。
僕はこの、せめぎあいを歩きたいんだ。

¨ 【そこにいる坐衆の「円」を通して、円坐舞台はどこまでも、どこまでも拡がる】

午後の円坐は、なんだか眠ってしまいそうだった。
静寂を破るように、にな (2歳)が、ふいにピアノの鍵盤を叩く。
なんとも言葉にしがたい音色、その響きは染み入るように心地よく、僕の体中をふるわせる。
どこのリサイタルでもなかなか味わえないような感触で、驚いた。
お母さん(坐衆の一人)が抱き寄せる。
親子の掛け合いが、やけにあたたかい。
なんだ、なんだ…、やけに、あたたかい。

正面の大きな窓、その遥か向こうの田んぼにポツンと見える、黄色いショベルカーが一台。
動いている。 ということは、人が乗っている。
あそこに、人がいる。
あそこに、人生がある。
まるであのおっちゃん(かどうかは分からんけど)とも、今、いっしょに坐っているような気分だ。

ふぅー・・ 今日の俺は、いったいどうしちまったんだ。

* * * * 円坐舞台と出会って、一年ばかり。

新潟妙高での、あの衝撃的な出会いからというもの、自分が絶えず、大きく揺れ動き続けているのを感じます。
ふりかえればそのひとつひとつが、まるで壮大な物語の一節であるかのようです。

与えられたこの生涯、その一息に、命を懸けてどうか全うしたい。
この旅路を更に先へと進むに当たり、こうなったら橋本さんやその御仲間たちの胸を、とことんお借りして生きたい。

そのように思う処あって、このたび改めて、その門を叩く運びとなりました。
豪雪なる北の国、北海道たかす町の厳冬。
大切な人たちとの繋がりに支えられ、一足ずつ暮らしを紡いできたこの地にて、新たな物語が幕開け致します。

存在をふるわせ合うかのような出会いに胸を膨らませては、お越し頂ける方々と坐れるご縁を、心より願いお待ち申し上げております。

¨ 主催 湯本殉輝 (じュんき)

「北の国・円坐物語」―縁に坐る暮らしの端にて―

守人 : 橋本久仁彦さん 湯本殉輝

日程 : 2022年 2月19日(土)・20日(日)

内容 : ※ 土曜・日曜 各〈昼〉の舞台
     【円坐舞台・後詰めの円坐・影舞】
     9:00受付 9:30~17:00(途中休憩挟む)

    ※ 土曜〈夜〉の舞台 【影舞・円坐舞台】
     19:30受付 20:00~22:00

会場・宿泊 : 北海道上川郡鷹栖町16線8号 の お家 ※ 部屋数に限りがあるので、宿泊は相部屋となります。

募集人数 : 3 ~ 5 名

会費 : 一泊二日 30,000円 (各舞台料・宿泊準備費等)
   ※ 食費は土曜の昼食~日曜の昼食まで、計4食分が含まれます。
   ※ 金曜からの前泊、日曜の後泊も可能です。
   その際、追加分の食事や宿泊の準備費として、
   別途カンパをお願いさせて頂きます。
   ※ それぞれの舞台、日帰りでの単発参加も可能です。
   土日〈昼〉の舞台 各10,000円 ・土曜〈夜〉の舞台 3,500円
   ※ 昼食・夕食の用意をご希望される場合は、別途カンパを
   お願いさせて頂きます。

送迎について
   ※ 旭川駅までの送迎(車で片道30分)
   18日(金)夕方 ・19日(土)早朝 ・20日(日)夕方 ・21日(月)午前 ならば、
   調整次第で可能な場合があります。
   ※ 旭川空港までの送迎(車で片道1時間)
   18日(金)夕方 ・21日(月)午前 ならば、
   調整次第で可能な場合があります。 よければご相談ください。

申込み・問合せ : junki.ymt@gmail.com (湯本)
        もしくは湯本殉輝(じュんき)のメッセンジャーまで
  ① タイトル「北の国・円坐物語」
  ② ご氏名 (ふりがな)
  ③ 性別
  ④ 年齢
  ⑤ お住まい
  ⑥ 電話番号
  ⑦ メールアドレス
  ⑧ 会場までの交通手段
  ⑨ アレルギー等 食べられないもの
  ⑩ 参加動機や相談事項など。
   特に初めましての方は、一言メッセージを頂ければ有難いです。
  ※ 持ち物などその他詳細、振込口座、別途料金などについての連絡は、
   問合せ・申込み頂いた方と、追って随時やりとりさせて頂きます。