晩秋の裏日光円坐道場
11月26日(金)〜28日(日)の日程で
有無の一坐坐長 橋本久仁彦さんをお迎えして、
日光にて円坐を開きます。
…………
「ひとは亡くなる瞬間、その魂は、いちど自分の生まれたふるさとの地へ 帰るのだと思います」
円坐を開催することになって、何年も前に聞いた言葉を思い出しました。
看取り人として たくさんの人が亡くなる瞬間に立ち会われ、最後の言葉を聞いていくうちに、そう実感したという方の話です
わたしにとって生まれ故郷の日光は、おそらく「魂がいちど帰る」という、
ふるさとなのかと思います が
ふるさとというのは、
地名で呼ばれるその場所だけのことでなく
「誰の中へ帰って往く」か、という問いと
おそらく 同じところにあつて
それは年々 大事になりました。
………
橋本さんは、中学生の進路選択の際
ご自分の興味あることをあげていき、
「それらを消していって、最後に残ったのが、"人間関係"だった」と仰っていました
ご自分のいく道を決めるはじめの時点で、
このままならない人間関係というものに向かっていた橋本さんに、わたしは少なからずおどろきます。
自分はなるべく他人との衝突や対峙を避けられる方がいいとか、
バランスをとって、その場をやり過ごしたり、
見ないふりの上手な人を羨ましく思い、
上手くいくノウハウやメソッドなどがあると言われれば欲しがり、
体裁よく言葉を扱えたり、受け入れやすく置き換えられることを、
人としての成長だ、と思っていたことがあります。
だけど実際には、否応のない縁と出会ったとき、
その、わかったつもりになっていたことなど、
すべて幻想みたいなもの でした。
おそらくこの世を旅立つときにもう一度帰りたいと思うのは、
その時、そうとしかあれない在り方で関わりをもってくれた、
その人と出会ったときのことに、思い当たります。
……
円坐や影舞、未二観について、
さいきんの橋本さんの言葉です。
『円坐や影舞、未二観はその構造に人為的な目的を組み込まないので「手法」や「メソッド」と呼ぶことができません。
あらかじめ「気づき」や「意識化」、「エネルギー」や「成長」などの時間的志向価値を持たないので「セラピー」や「ワーク」とは言えず、意識変容を目指さないので「瞑想」でもありません。人類の進化や自己実現といった目的概念も坐衆の一つの思考に戻り分相応となります。
円坐とは端的に他の誰でもないこの人々と一緒に坐るというそれだけのことであり、
影舞とはこの世でたった一つのあなたとわたしの舞いであるという平凡な真実であり、
未二観とはどんな時間にも属さない永遠の15分間をあなたと生きるという当たり前であり、
きくみるはなす縁坐舞台とはただ一度きりのこの生涯という全宇宙のことです。
「円坐」「影舞」「未二観」の名乗りのもとにアラハレる「アラハレ」は、対象化することができず、ゆえに概念化できず、ゆえに効率化できず、ゆえにシステム化できず、ゆえにやり方や考え方として事前に準備することができません。
それは我々の「自我」が永遠にふれることのできないものです。
にもかかわらず永遠の時間を一瞬で越え、ただちに誰でもそうであるものです。
何者でもなく賢くもない、平凡で無一物の五歳児や八十歳のお年寄りが、
円に坐り合い、指先を触れ合い、ことばを辿り合って、
まったく時間をかけずに「時間」を越えて往きます。』
「手法」や「メソッド」と呼べず、
「セラピー」や「ワーク」と言えず
事前に準備のできないという円坐は、
ただこの身ひとつで坐るしかないというような、
心許なさ、わからなさの中にあります
が、生きる実感としては、そうでしかないという確かさのようなものが あります
わたし自身、人との関係の、わからなさを
以前はとても虚しく感じていたことがありましたが、
今は、そのわからなさこそ、この世のなつかしさ としてあります。
それを引き受けて、たぶんいつか
「ふるさと」と呼ばれるところへゆくのかなあと、思います。
……
円坐道場というのは、日光円坐の実としてふさわしいのか、正直まだわかりません
ただ、先の先の道を行く橋本さんの創始された、円坐を開くことを思ったときこの言葉がでてきて、
それぞれの生きる様の、ぶつかり稽古のように出合う場、それぞれ生きてゆく道の途上で出合う場として、道場という名で開くことをおもいました。
日光で、お待ちしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
桜井あつ子(さくら)
晩秋の裏日光円坐道場 開催要項
◆日程┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
・2021年11月26日(金)〜28日(日) (3泊4日)
・集合場所:栃木県日光市小林
(東武線下今市駅から関東自動車バス〈31分乗車〉大木バス停で下車)
・開催時間:11月26日(金)13時半〜(開場11時)
・解散時間:11月28日(日) 15時00分頃
◆会場┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
・円坐、影舞会場予定:栃木県日光市小林
・日光田母沢御用邸
https://www.park-tochigi.com/tamozawa/
・憾満ヶ淵
https://www.tochigiji.or.jp/s/spot/1025/
*宿泊場所の詳細は、参加者へそれぞれ連絡します。
◆参加費┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
・45,000円
・参加費に含まれるもの:
宿泊費、初日の夜から3日目の昼食まで6食分
円坐・影舞等のワーク費
◆募集人数┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
・6〜8名程度
◆お申込み/お問い合わせ┈┈┈┈┈┈┈┈
sakura.fule@gmail.com
または、
桜井敦子のメッセンジャー(facebook)までお願い致します。
*お申し込みの際にはメールの件名
「裏日光円坐道場申し込み」と書いて、
本文に下記項目をご記入ください。
追って、参加費振込先、スケジュール等を送ります。
① お名前
② なるべく早く連絡がとれるメールアドレス
③ 当日連絡がとれる電話番号
④ 当日のご来場方法 (車か電車か)
⑤橋本久仁彦さんへのメッセージや参加動機、
主催者に要望などございましたら、お言葉を
お願いします。
不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
◆守人┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
橋本久仁彦さん
桜井あつ子
<橋本久仁彦さんプロフィール>
1958年大阪市生まれ。大学卒業後は高校教師となり、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱したパーソン・センタード・アプローチに基づく「教えない授業」を10年間実践する。その後アメリカやインドを遊学し、人間同士の情緒的なつながりや一体感とともに発展する有機的な組織作りと、エネルギーの枯渇しない自発的で創造的なコミュニティの建設に関心を持ち続けている。
平成2年より龍谷大学学生相談室カウンセラー。様々な集団を対象とした非構成的エンカウンターグループを行う。
平成13年12月に龍谷大学を退職、プレイバックシアタープロデュースを立ち上げ、プレイバックシアター、エンカウンターグループ(円坐)、サイコドラマ、ファミリー・コンステレーション、コンテンポラリーダンスなど、フィールド(舞台)に生じる磁場を用いた欧米のアプローチの研究と実践を積み重ねるも、このたび、10年間の活動を終え、その看板を下ろす。
現在は、日本人の存在感覚に根差した口承即興舞台「きくみるはなす縁坐舞台」の一座「影舞山月記(鬼)」座長。
生涯を通じて手掛けてきたミニカウンセリングは、位相を進めて「未二観」となり、円坐は同じく「円空坐」となり、縁坐舞台も「縁起の坐舞台」と成って様式が整い、生死・顕幽の境を超えて不生不滅の景色を展望する三つの終の仕事となった。
仲間も変遷し、この頃は生死を共にする有縁の仲間(一味)と連れ立って、毎日がこの世の名残りの道行である。
高野山大学スピリチュアルケアコース講師。
円坐守人。影舞人。