「居ると居る、なるとなった」その二

「博多の侠客」吉次潤氏と有無ノ一坐が心と心を結んで開催する
「はかた縁坐舞台」の立ち上げをご報告いたします。

ここで「侠客」とは、
権威や法や利益よりも個人的な関係における信義を重んじ、
それを貫く態度のことを意味します。

それは「共感する」とか「相手を肯定する」といった操作的・機械的な
「関係の作り方」とは何の関係もないものです。

ただその人物の生き様と真剣に対峙し、
お互いに相手の「人となり」を直接体験し、
その結果、世界でたった一人の欠かすことのできない相手となった
その人との「関わり合い」が、

自分自身の人生の中心に深く根を張って育つことを、
我々は心から楽しいと思っています。

そのような土着の人間の体験を守る陣形を円坐と呼び、
円坐に坐ることで実人生が変容してゆく働きを縁坐舞台と呼んでいます。

玄界灘に面した漁師町、
津屋崎に住む都郷なびさん、金氣穂乃香さんの
おふたりからも侠客の香りが立ち昇ります。

彼女たちが最初に僕を津屋崎に呼んだのは、
自分自身の気づきや成長のためではありませんでした。

柴田冨美子さんという、津屋崎の民から敬慕を集める
古老の身辺に起こった出来事に胸を痛め、
自分に何ができるのかと思い余っての行動でした。

今年90歳になる冨美子さんは、
円坐に坐り、影舞を舞ってくださって、

「円坐影舞は『一心』ということだとわかりました。
本当にありがとうございます。ではどうぞ行ってらっしゃい。
そしてまた津屋崎へお帰りください。」

と手を合わせて見送ってくださったのでした。

有無ノ一坐にとって九州という土地は、
信義による人間関係が今も脈々と生きている国なのです。

では、博多と津屋崎での円坐開催について、
各氏の言葉をご紹介いたします。

福岡博多、「はかた縁坐舞台-縁起をまとう」のご案内はこちらよりどうぞ

口承即興円影未二 有無ノ一坐 橋本久仁彦

「居ると居る、なるとなった」その二

とき:2月11日(日)
時間:10時〜17時
場所:日々の家(福津市津屋崎1丁目27−32)
料金:5,000円
持ち物:水筒
昼食:一汁一菜のご飯を用意します。
ご自身で用意してもらってももちろん結構です。
昼食をご希望の方は事前にお伝えください
(昼食代500円頂きます、アレルギーのある方はお伝えください)
申込:氏名、連絡先(メール、電話番号)、昼食希望を記入の上
金氣穂乃香(honoka@kurashino-tonya.net)まで申込みください。

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1月14日に有無ノ一坐の橋本久仁彦さんをお迎えして、
はじめて「日々の家」にて円坐を行いました。
今までの会に増して実感をもてた時間になりました。

それは、ここで呼吸し、
考え悩みながら前へ進もうとしている私たちの日々との重なりを
感じたためのように思います。

円坐で出会った者同士で円くなって坐った時間は、
自身の意思や感覚を大切にして生きるためのお守りとしてはたらき、
私たちの人生の節目となっていることを感じています。

社会の中での役割や立場をそっと下ろし、
一つの生命体としての自分の声を聞き合う時間。

私達の言葉に何か感じるものがあるなら、
円坐を体感することをあなたと共有したい。

前回の円坐の成り行きで、
今回の円坐の開催が叶いました。

今回は松岡弘子さんも来てくださいます。
ご一緒できると嬉しいです。

都郷なび 金氣穂乃香

【橋本久仁彦(はしもとくにひこ)】

1958年大阪市生まれ。
大学卒業後は高校教師となり、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱したパーソン・センタード・アプローチに基づく「教えない授業」を10年間実践する。その後アメリカやインドを遊学し、人間同士の情緒的なつながりや一体感とともに発展する有機的な組織作りと、エネルギーの枯渇しない自発的で創造的なコミュニティの建設に関心を持ち続けている。

1990年より龍谷大学学生相談室カウンセラー。
様々な集団を対象とした非構成的エンカウンターグループを行う。

2001年12月に龍谷大学を退職、プレイバックシアタープロデュースを立ち上げ、プレイバックシアター、エンカウンターグループ(円坐)、サイコドラマ、ファミリー・コンステレーション、コンテンポラリーダンスなどフィールド(舞台)に生じる磁場を用いた欧米のアプローチの研究と実践を積み重ねるも、10年間の活動を終え、その看板を下ろす。

生涯を通じて手掛けてきたミニカウンセリングは位相を進めて「未二観」となり、エンカウンターグループは「円坐」となり、縁坐舞台も「縁起の坐舞台」と成って様式が整い、生死・顕幽の境を超えて不生不滅の景色を展望する三つの終の仕事となった。仲間も変遷し、この頃は生死を共にする有縁の仲間(一味)と地方へ出稽古に出ることが楽しみ。毎日がこの世の名残りの道行である。

高野山大学スピリチュアルケアコース講師。
円坐守人。影舞人。口承即興円坐影舞「有無ノ一坐」坐長。

【松岡弘子(まつおかひろこ)】

1966年8月15日大阪市生まれ

三人の子どもの子育て中に地元の保育園の保護者会会長をしていたときに、園と共催事業として、保護者も保育士も調理師も園長も対等にひとりの人間として語れる場を模索しながら、プレイバックシアター公演をしている劇団を関西で捜していて、橋本久仁彦氏と出会いました。
その後、仕事帰りに大阪市内に通い、12年間ミニカウンセリングのクラスに通い、非構成のファシリテータートレーニングクラスを受講し、地元のキャンプ場や絵本文庫の古民家でグループを主宰。

橋本久仁彦氏を講師に、プレイバックシアターのコアトレーニングクラスを主催し、地元のお母さん達を中心に「まざぁ・りぃふ」というカンパニーを立ち上げ、美容院や老人ホームなどでの公演や市民講座などの連続講座も開催してきました。

「シアター・ザ・フェンス」に入団し、その後「坐・フェンス」、そして、現在「有無ノ一坐」のメンバーとして、円坐やきくみるはなす縁坐舞台の活動を主軸に、各地で、円坐やふるさと円坐街道を主催し、未二観玉手箱という名で在野にて個人もしくは親子などペアで未二観もおこなっています。