~道にゆきくれし円坐 第九回~

主催の今西道子さんよりご案内文です

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東金に有無ノ一坐みなさんがきてくださるのは半年ぶりになりました。
エルピスでは、楽しみにしています。

その間に変化があって、最近のこと。

雪予報のとても寒い日、あーさんが亡くなった。

朝の時点ではもうやっとを水分が少し口に含める程度だった。

返答もままならなくて、やっとの水分を含ませつつ、
冷蔵庫の中身をみて、部屋の端のセツさんに
「今日のお昼は焼きそばとお蕎麦どちらがいい?」と尋ねたら、
すぐ「焼きそば!」っと返ってきたので、
意外な返答で「すごい即答だね!」と大きな声で話したもので
あーさんが首をぐいっと動かして驚いた。

「ごめんごめんびっくりしたね、でも全然さみしくないよね、うるさくて」
と笑いながら言ったら、ほろりとあーさんの目から涙がこぼれた。

あーさんは感情豊かで嬉しい時、悲しい時もすぐに泣いてしまう声を上げて泣いてしまう。
「あーさんは歌をうたうの好きだからねー」とセツさん。
よかったよかったーと話をして、焼きそば作ってくるから待っててねーと話をして

その間にあーさんは逝ってしまった。

義弟がきちんとそばにいてくれた。もう、肩で呼吸してない、苦しくないね、と。

どうしても最期、早朝に逝ってしまう人が多いのだけど、
あーさんはさみしくない昼間を選んだようだ。そして賑やかにみんなに送られていった。

かすかな呼吸で水を飲もうと頑張るあーさん、
人は最期の際まで生きようとする姿をこんなにも出て見せてくださるのか、
人は何かを残していくのだ、その人の香りをしぐさを行いも、
潔さもギリギリまで残していくのだ。

がらんどうになったベットを見てやっぱりさみしくなった。
今日はとても寒い、次体調が悪い人がないように悪くならないように。

家族とは疎遠だった。いろんなことがあったのだろう。
でも家族の愚痴を1度も聞いたことがなかった。

私とあーさんとの関係は清々しいものでしかなかった。
時々間違えちゃうけど素直に謝られるあーさんだった。またね、とお別れ。

セツさんの言葉から、今思い出す。
影舞舞台でちあきなおみの喝采が流れて、ずっとずっと口ずさんでいたあーさん。
今こうだったのか、ああだったのかと、彼の姿がくっきり思い出される。

私にとってどうしても最期に向かう姿勢と、円坐と、日々の子どもたちとの生活と、
どれも欠かせないものであって、どこのどれにも生きるもの、全てがある。

どれも抱えて生きていく。

円坐は人と向き合うこと

向き合うことから目をそらさずにいる、その姿を
私は有無ノ一坐の円坐から目の当たりにしてきた。

向き合うことは、厳しくもあたたかくも苦しくもせつなくも淡く深くある。

八鶴湖にてお待ちしています。

今西道子

~道にゆきくれし円坐 第九回~

日時:令和6年3月6日(水)
   10時30分~17時30分

場所:国登録有形文化財「八鶴館」
  (東金市東金1406)
   ・東金駅より徒歩7分
   ・高速バスシーサイドライナー八鶴湖入口
    より徒歩5分

守人:橋本久仁彦 松岡弘子 橋本仁美 橋本悠
   <有無ノ一坐>
   今西道子

参加費:15,000円

申し込みmakishimoken@gmail.com
   またはメッセンジャーにて今西まで