第13回 卯月のふるさと相聞茶堂

三月のふるさと相聞茶堂は、ちょうど雨でした。
雨音が桜の咲く音のように感じられる日でした。

未二観影舞の舞台では、
三日前に京都のご友人と散歩道で「花」を一緒に歌われた、
その春の日のひとときの光景が、目の前にひろがりました。

  花 歌詩:瀧廉太郎

 はるのうららの 隅田川
 のぼりくだりの 船人が
 かいのしづくも 花と散る
 ながめをなにに たとふべき

 見ずやあけぼの 露浴びて
 われにもの言ふ 桜木を
 見ずやゆうぐれ 手をのべて
 われさしまねく 青柳を

 にしきおりなす 長堤に
 くるればのぼる おぼろ月
 げにいっこくも 千金の
 ながめをなにに たとふべき

続いて「枯葉」と「雨の慕情」の対談影舞舞台は、
真剣に向き合い対峙する舞台に歌声が沁みました。

  枯葉 歌:八代亜紀

 枯葉よ 泣かないで
 いろあせた 枯葉よ
 かえらぬ 夢の日を
 いまさら 泣くより
 しあわせの 名残を
 せめても 抱きしめ
 あなたと ふたりで
 唄おう夜霧のパリよ

そのあと皆で、雨の桜堤を束の間、
ドライブをして咲き初めのお花見をしました。

 ・・・

そして、今日、ひとり満開の桜堤を歩きました。
満開の桜が、こちらに向かって咲く様に、
ひとりひとりの面影を感じ、いつのまにか、
四季を通じて、芥川が「ふるさと」になりつつあるのを、
ふと、感じました。

次回、卯月のふるさと相聞茶堂の頃には、
芥川の桜堤の空は鯉のぼりが元気に泳いでいるでしょう。

それではご縁をお待ちしております。

有無ノ一坐 松岡弘子

< 第13回 卯月のふるさと相聞茶堂>

日時:2023年4月27日 13:30〜16:30
場所:高槻市芥川町の和室
会費:3,000円
守人:松岡弘子
申込:soumon.enza@gmail.com 松岡