「関東円坐研究会」の立ち上げと第一回稽古会のお知らせ
2023年度の生駒石切円坐守人十六番稽古は今月28日が最終回となります。
めでたく十六番目まで稽古を重ね、「円坐」という世界観や、「守人」という生き様を体現しうる地点まで辿りつく方は決して多くはないのですが、加倉井拓夫氏は「円坐に打ち込んだ」ことの結果として現在の位置に立たれました。
氏が立ち上げた「関東円坐研究会」の名のりと、その第一回稽古会のお知らせをここに記録できることを一坐一同幸せに思っています。
2023年の一年間、有無ノ一坐の四人の守人と直接対峙し、仕合い続けたことで、哲学で鍛えた氏の鋭い思考の力に、生きた円坐の血潮と、発火する精神の熱が合流しました。
今後の氏の生き様と仕事に連帯し、有無ノ一坐も引き続き、
「この世界において人工知能的存在ではなくハッキリと生きて死ぬ人間の魂であるということ」
すなわち、「この全世界という円坐に人間の守人として坐ること」の稽古精進を重ねて参ります。
以下に謹んで氏のご挨拶文を掲げます。
口承即興円影未二 有無ノ一坐 橋本久仁彦
☆☆☆
一昨年、偶然としかいいようのない形で有無ノ一坐の橋本久仁彦さんのことを知り、
その直後に松岡弘子さんが成田で開かれた円坐にタイミングよく参加することができました。
そして去年、石切での「円坐守人十六番稽古」、「関ヶ原古戦場円坐」などにも一気に参加し、
その「十六番稽古」も今年の1月で終わりをむかえます。
有無ノ一坐や円坐というものの存在を知ってから一年間の「十六番稽古」に通い切ろうとしているこれまでの流れは、元来腰の重い僕としては考えられないくらい早く、スムースなものでした。
しかし、この世で有無ノ一坐だけが生業としている円坐、未ニ観、影舞。
これらは他に類例がないこともあり、一年ほどの間に矢継ぎ早に経験しただけでは到底理解しきれる代物ではありませんでした。
これは千代崎での「未ニ観レビュアー養成講座」に参加した時のことですが、
ともにそこに坐ったある参加者の口から「稽古」という言葉が発せられました。
その日以来、それまでも知っていた「稽古」という言葉が、僕の中に根を張り実体をもちました。
知識やノウハウに落とし込めるなにかを学び持ち帰るだけの場ではなく、一生を通じて何度も何度もそこに立ち返り、終わることなく鍛えられるような場。
そういう場所でだけ実現されるものとしての「稽古」。
それこそが、知識やノウハウに還元できない円坐の神髄を知る唯一の手段でしょうし、
それはまた、全てに手応えがなく、あらゆるものが猛スピードで無に帰してゆくかのような現代社会に身ひとつで抵抗する手段のようにも思えます。
「十六番稽古」という、有無ノ一坐に見守られ、守人として集中的に「養成」してもらえる一年間もまもなく終わってしまいます。
これから先も円坐を続けていこうと思うなら、誰かが機会を提供してくれるのを待っているだけではおそらくダメでしょう。
円坐を稽古し続ける意志をもち、また実際に稽古し続けるための場を自分自身で作る努力も必要になってくると思います。
そういう努力をせず他人からの働きかけを待っているだけでは、円坐に打ち込んだこの一年余りの経験が束の間の夢のように消えてしまうか、あるいは単なる楽しかった思い出に成り下がってしまうかもしれません。今の僕にはそういう危機感があります。
以上のような考えから、「関東円坐研究会」と称し、ご縁のある方々と円坐を継続的に稽古する場をもとうと心に決めました。
円坐に惹かれ、円坐を通じて人生の稽古に打ち込む意志のある方のご同坐をお待ちしております。
関東円坐研究会
守人 加倉井拓夫
<関東円坐研究会・第1回稽古会>
日程:2024年2月10日 14~17時
場所:千葉市内某所
守人:加倉井拓夫
定員:9名
ご関心のある方は下記メールアドレスまで詳細をお問い合わせください。
enzakeiko.hk@gmail.com