ファシリテーションとパッショネイション
日本ファシリテーション協会の元副会長で、現在は協同促進プログラム委員長の亀ちゃんこと亀井直人氏から、「今回ははかた円坐に参加できないから、前日の15日にお昼を一緒にいかがですか?」と連絡があり、博多駅前で亀ちゃんの車に拾ってもらって、春日市にある「春日まちづくり支援センターぶどうの庭」の「ばあちゃん喫茶」に向かった。
「ぶどうの庭」は、ぶどうの木と明るい雰囲気に包まれた元保育所の建物で、亀ちゃんはこのセンターの理事である。
活気にあふれて楽しそうに立ち働くおばあちゃんたちの手作りランチを待つ間に、偶然居合わせた与興田(よこた)さんという30代後半の若きファシリテーターと言葉を交わした。
彼は亀ちゃんの知り合いで、我々が円坐を仕事にしていることを告げると、急に生き生きと目を輝かせて質問を浴びせてきた。
スマホにメモしながら、ファシリテーターと円坐守人の仕事の違いや、人間として生きるお互いの姿勢に強い関心を向けてくる与興田さんの情熱と探求心にふれて、我々は楽しい気分になった。
「ぶどうの庭のばあちゃん喫茶」で突然「興った」ファシリテーションと円坐のプチ交流会と手作りランチ(亀ちゃんがご馳走してくれた
)を味わったあと、与興田さんは所用で津屋崎へ向かい、
我々は「天気がいいので戸外で円坐を」という亀ちゃんの提案で、子どもたちの遊ぶ声を聞きながら「ぶどうの庭円坐」でさらに語り合った。
亀ちゃんは「ファシリテーション」と「円坐」の「境界」へまなざしを向けることのできる人である。
自他や生死、善悪や肯定否定といった二元性の境界「未ニの関」を越え、「円坐というまるごとのかかわりあい」の道を歩く有無ノ一坐にとって、亀ちゃんは言葉の本来の意味での「盟友」であると言える。
僕は、京都のある大学の学生相談室に心理カウンセラーとして勤務しながら、ファシリテーターの仕事を請け負って、各地でファシリテーションの仕事をしていたことがある。
いつもノートを携え、状況に応じたいろんなワークの仕方や、ファシリテーションの進行上気をつけるべき点を書きつけていた。
ワークショップでは、セッションが終わるごとに参加者の様子や全体のプロセスの観察から得られた気づきを記録し、自分のファシリテーションをもっと効果的にするための参考にしていた。
高校教師時代の「教えない授業」や大学のカウンセラー、そして「目的を持たない生命体的集団フェンスワークス」の団体活動を通じて40年近くもグループワークをしているうちに、ファシリテーションの現場体験と、ノウハウやメソッドの理解が積み重なり、参加者のニーズに応えて喜んでもらえる状況をいつでも作りだせるファシリテーターとしての自信がついたのだが、
同時にこの仕事が経済原理に基づく「サービス業」であるという自覚も深まった。
そして「愛や信頼を装った技巧的な人間同士のかかわりあいをサービスする経済的関係」に対して、はっきりと違和感を感じるようになったのだった。
物質的な科学知識に支配された現代社会の状況を生きる我々にとって、「生身の人間関係」はまだまったく未開拓の領域である。
「人間関係とは本当は何であるか」を真剣に探究すると、そのままなぜ自分は人間なのか、この私が今生きて、必ず死んでゆくのは何のためであるのか、という問いと答えに向かい、対峙し、仕合うことになる。
人生でこれより面白い状況はない。
円坐では常にその状況を生きることができる。
そこから生まれてくる「仕事」は、「存在そのもの」であって「経済関係」ではないのでエネルギーが枯渇しない。
「存在」という熱源からあふれ出る情熱が、人と人を結びつけて永続する「仲間」を形作る。
この「仲間」は営利に基づかず、愛と信頼と生命に基づく「まるごとのかかわりあい」を、「24時間全面的に」生きている。
にもかかわらずお互いの独立性をまったく失うことがない。
あるいは、それゆえにお互いの完全な独立性が初めて成立する。
それが円坐における「仲間」である。
この「仲間のかかわりあい」が法的人格を持てば、「生命と魂を持つ会社」になる。
人間同士のまるごとのかかわりあいによって現実化する「魂を持つ会社」は、明確な目的を持って前進するひとつの生命的法人格となって、全世界の「存在」に直接響きあう「形態形成場」となる。
空間と時間、すなわち「全世界という空間」と「自分自身という全時間」が直接響きあう「生身のかかわりあい」こそが本当の現実であり、我々は常にその影響下にある。
物事が直線的に進む物質的な時間の中で「ファシリテーション(物事を促進する)」を行うファシリテーターに対して、
円坐守人は、曲線的な生きた時空間と共振して「パッショネイション(存在の情熱化)」を行う「パッショネイタ―」であると言えるだろう。
昨年東京で開催した円坐「ファシリテーションを超えて」で、まだ真剣な付き合いになる前の亀井直人氏が見せたひとつの言動が、有無ノ一坐全員の心に刻まれて今も響きが止まず、その後のかかわりあいを生み出し続けているのはなぜか。
それは彼がその場に存在する我々をファシリテートせず、パッショネイトしたからである。
「パッショネイト」とは、出来合いの共感や肯定で消費しあう功利的、経済的なやりとりではなく、
世界でたったひとりの亀井直人と橋本久仁彦として対峙する「存在の情熱」によって、時間を超えてかかわりあう能動的な人間の態度を指し示す言葉である。
以下に2026年4月の世界に対する有無ノ一坐の「パッショネイション」として円坐舞台ラインナップを掲げる。
「有無ノ一坐」とは、存在の情熱を生きんと欲するすべての「仲間の一坐」のことである。
口承即興円影未二
有無ノ一坐 橋本久仁彦
<2026年4月円坐舞台ラインナップ>
①4月1日2日(水木)香川県三豊市~高知市
<讃岐土佐円坐街道>
※故臼杵英樹氏御子息直也君と一緒に高知の坂本さんを目指す円坐旅。
②4月4日(土)福井県武生市「浄土真宗円鏡山長慶寺」
<円坐僧侶、釋浄霧(橋本悠)報恩講越前旅with泰円澄一法師>
※師を訪ねて日本海円坐行脚、南無阿弥陀仏。
③4月5日(日)大阪府阪南市岬町
<第6回円影山月記・阪南の海と桜巡りの円坐旅>
※幼い頃母と遊んだ懐かしの海へ仲間と往く。
④ 4月8日(水)千葉県四街道市
<開拓相聞円坐>
※歴戦の関東円坐衆四街道に集結。
⑤ 4月10日(金)24日(金)大阪市西区千代崎スタジオ
<第24期影舞山月記>
※生徒ひとり一人の姿勢に合せたプレイリストを即興で作るよ!
⑥4月12日(火)徳島県吉野川流域
<第8回円坐影舞阿波のうた>
※初めての会場で吉野川の桜影舞。
⑦4月14日(火)千葉県山武郡成東
<道にゆきくれし成東桜円坐>
※「道にゆきくれし」なのに主催者の慈愛あふれるあったかい円坐。
⑧4月15日(水)神奈川県金沢八景
<篠原さんとゆく金沢八景ふるさと円坐街道>
※円坐衆篠原組集合!みんなに会わせたい義侠心満載の親分。
⑨4月16日(木)神奈川県横浜市寿町「生活館」
<ドキュメンタリー映画『どっこい!人間節』鑑賞円坐舞台>
※まなびーはDVD買ったって!
⑩4月22日(水)大阪市西区千代崎“CAFE柿の木の下”
<北海道の守人じゅんき×有無ノ一坐円坐舞台>
※初CDをリリースした北の唄うたい円坐守人来阪
⑪4月24日(木)高槻市芥川町
<第49回ふるさと相聞茶堂>
※毎月一度の人間相聞讃歌。僕も必ず坐りに行きます。
⑫4月25日(土)大阪市西区千代崎スタジオ
<第2回未二関・未二の関稽古会>
※マニーことエマニュエル・ハーパーついに東京から帰還し合流!
⑬ 4月26日(日)東大阪市石切町
<生駒石切400日間円坐>
※今までで一番大人な円坐空間
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以下はすでに開催が決定した年内各地の合宿円坐舞台です。
お問い合わせは有無ノ一坐まで。
◆5月3日~7日鹿児島県串木野市
<薩摩串木野ふるさと円坐街道 知覧~金山~長崎鼻~冠岳~指宿~城山>
※薩摩は練り物が最高に美味いよ!
◆5月20日21日北海道札幌市
<第2回札幌円坐舞台>
※大阪での柴田さんの舞台を観てファンになった橋本仁美も同道!
◆8月8日~11日徳島県上勝町旭
<上勝“少年”探偵団大復活祭>
※上勝の土地に根付いて三十年の歴史を誇る全国唯一の大人のフリースクール。愛知幡豆円坐と並ぶ「大人の森のようちえん」
◆9月20日23日 台湾(中華民国)
<有無ノ一坐の台湾・台北ふるさと円坐街道>
※台北大学〜国立中央大学〜秋山氏とともに辿る台湾街道円坐影舞
◆10月10日(土)~12日(月祝)広島県内某所
松井雄一郎×有無ノ一坐 <ことばの時空をひらく~未二観・言葉・動き>
※ミニカウンセリングから未ニ観への旅路を共に歩んだ広島のジーザスこと松井雄一郎氏と。
◆10月14日15日(水木)
<江田島円坐街道影舞山月記>
※江田島在住の梶原友美さんから早く来いの熱烈コール!
◆12月28日~31日大阪某所
<有無ノ一坐の除夜の円坐2026>
※昨年はキャンセル待ち。早めのお申し込みを
以上。


