今年の円坐舞台 特報のお知らせと1月のラインナップ
今年も、円坐でかかわりあった人々との「約束」を果たして生きる一年が始まりました。
僕が若い頃に持っていた夢は、自分の腹の底からかかわりあえる、いつ死んでも悔いの無い人間関係を見つけたいということでした。
父親が享年44歳で亡くなり、突然「母子家庭」の長男になった時、僕は13歳で中学の1年生でした。
父は、中学校の運動会を観に来てくれて、「スウェーデンリレー」に出場した僕が、何人か追い抜いたことを褒めてくれました。
戦争を経験し昭和の時代を生き抜いて、怒ったらとても怖かった父が、珍しくニコニコと笑顔で褒めてくれてとてもうれしかった。
父はそれから3日後に亡くなりました。
父の突然死のショックで、一週間で白髪になってしまった母は、抗生物質アレルギーがあって薬を受け付けない体質でした。
小学生の頃、風邪をひいて隣で寝ていた母が、ペニシリン・ショックで全身が硬直して恐ろしい唸り声を上げ、救急車で運ばれていったことがあります。
獣医師である父が、てきぱきと対応しているのを雰囲気で感じながら、僕は布団の中に縮こまって恐怖に震えていました。
それ以来、小学生の僕は、母の寝ているふとんが上下に微動しているのを確認するようになりました。
「母さんは今確かに生きている」と安心するためです。
ところが中学1年になった秋の日に、家族が全面的に頼りにしていた大黒柱の父が先に、あっけなく逝ってしまったのです。今目の前にいる人と生きてかかわりあえることの儚さ、無常さが骨身に沁みました。
高校生の頃、ターミナルケアを受ける患者さんの連載記事や、特攻隊の若者の手記や、死刑囚となった方々の記録などを読んで、「人間が死ぬ時に最後まで残る気がかり」は、「本当にかかわりあった人のこと」であると知りました。
そのためか、若い頃の僕の将来の夢は、「やりたい仕事をやる」や「なりたいものになる」ではなく、冒頭に記したように「人の将来は儚く無常だから、自分の腹の底からかかわりあえる、いつ死んでも悔いの無い人間関係を生きてみたい」だったのです。
悔いの無い人間関係を生きたいという強い思いに動かされて、大学では「産業心理学」や「人間疎外」の講義を聴き、大学の恩師が会長を務めていた「真宗カウンセリング研究会」に出逢って、カール・ロジャーズが切り開いた「来談者中心カウンセリング」や「ベーシック・エンカウンターグループ」に夢中になりました。
「人の将来は儚く無常で、あっけなく死んでしまう」から「自分の腹の底からかかわりあえる、いつ死んでも悔いの無い人間関係」を求める僕にとって、1970年代にカール・ロジャーズと同世代の恩師たちが実践していた非構成的な「ベーシック・エンカウンターグループ」は、「ここに求めていた答えがある」と確信できる「他者とのかかわりあい」の実例でした。
それから半世紀が過ぎ去り、日本の社会は人工知能によるテクノロジーによって急速に再構成され、その影響は個人的な人間関係の領域にまで及んでいます。
僕にとって「人生の問いの答え」であったベーシック・エンカウンターグループ、すなわち「実存的な他者とのかかわりあい」は、結果を予測できる構成的なワークやゲームやメソッドを使った「人工的な他者とのかかわり方」に変換されて理解されるようになりました。
「非構成」や「エンカウンターグループ」の名称は現在も使われていますが、その内実は、「ファシリテーター」という技術者が、「かかわりあい」を「かかわり方」として対象化し、客観化してプロセスを予測し、予定調和の中におさめていく「ファシリテーション」というテクニックを使用する場になっています。
今、44歳で亡くなった父の年を23年も超えて、67歳になった僕は、「円坐」という簡単な名称を掲げて、「儚く無常であっけなく死んでしまう」他者との「自分の腹の底からかかわりあえる、いつ死んでも悔いの無い人間関係」を日々生きています。
今から50年前、大学にパソコンやインターネットが導入される前に、創始者カール・ロジャーズの生き様に直接ふれて火がついた恩師たちの情熱が炎となって、ベーシック・エンカウンターグループが盛んに行われていました。
円坐とは、恩師たちが文字通り全身と全霊をかけて「他者とのかかわりあい」を実践していた当時の「ベーシック・エンカウンターグループ」が、必要な時間を経て日本の精神風土に根付き、一輪の花を咲かせた姿なのです。
口承即興円影未二 有無ノ一坐
橋本久仁彦

有無ノ一坐 1月の円坐舞台ラインナップ
目次
<<特報その①!>>
★鹿児島県串木野市の山下薫氏御実家の大きなお屋敷にて
「知覧~金山~猫の御崎~薩摩串木野ふるさと円坐街道」を開催します。
日程は2026年5月3日~7日の4泊5日。
ゴールデンウィークで交通機関の手配など早めにご準備ください。
<<特報その②!!>>
★「秋山英俊氏と辿る有無ノ一坐の台湾ふるさと円坐街道」を開催します。
日程は2026年9月20日~23日の3泊4日。
ご一緒できる方は日程の周知よろしくお願いいたします。
☆
では2026年1月の円坐舞台ラインナップをお知らせいたします。
① 1月3日、31日(土)大阪市西区千代崎スタジオ
<第3回、第4回円坐影舞山月記>
※影舞と円坐が位相違えど一つであるという肝心要
② 19日、16日(金)大阪市西区千代崎スタジオ
<第23期影舞山月記(鬼)>
※鬼が出るか蛇が出るか、秘めた表情が飛び出す影舞鬼舞台の妙味
③ 1月11日(日)千葉県山武郡成東
<老人ホーム「エルピス」終の円坐舞台>
※エルピスが引っ越しになる前に皆さんとの「約束」を果たす円坐舞台
④ 1月12日(月)千葉県山武郡成東
<道にゆきくれし未二観会 千葉成東編>
※おとうさんとの未二観はパラダイスへの入り口
⑤ 1月14日15日(水木)鳥取県米子市
<泉の相聞円坐@「皆生温泉」>
※友と亡き師と浸かる温泉円坐で皆生きるなり
⑥ 1月17日(土)大阪市西区千代崎スタジオ16時~18時
<悠久の父子円坐>
※円坐と「エンカウンターグループ」どこが違うの?
⑦ 1月17日(土)大阪市西区千代崎スタジオ19時15分~21時45分
<未二観門前稽古逢坂千代崎千夜十二夜「聞く稽古」第十一夜>
※聞く稽古とは自分が景色に成る空位相稽古なり
⑧ 1月18日(日)東大阪市石切町
<生駒石切円坐守人十六番稽古>
※あと二回となった石切稽古の道は未知。みんな無事か?
⑨ 1月21日(水)高槻市梶原町
<きくみるはなすかかわりあうピッコロ保育園縁坐舞台>
※担任も涙する五歳児の影舞の迫力と美
⑩ 1月23日(金)福岡県糟屋郡篠栗町
<フリースクール山ねこ影舞稽古会「春ノ雪」>
※影舞の本質は映像に映るかな
⑪ 1月25日(日)大分県別府市
<第17回はかた円坐~縁起をまとう別府編>
※潤ちゃんと辿る別府歩き円坐。当然有無ノ一坐揃い踏みです!
以上。

